機械式腕時計との出会いが、コイツでした。
機械式時計との出会い
小学生の頃、社会科の授業で「昔の道具調べ」があり、何か昔の道具について調べ、持ってこれる人は学校に持ってくる、ということになりました。
家に帰り、両親に相談したところ父親が、「これはどうだ」と出してきたのがこの時計。
「この時計は今の時計とは違って(?)耳を当てると音が聞こえるんだ」と言われ、「ふーん」と思いながら、子供ながらに良いツール感を感じ、裏蓋のメダリオンの金ピカ具合が気に入った私は、意気揚々と学校に持って行っては、友達の耳に時計を当てて遊んでいました笑。
そこから月日が流れること10数年。大人になった私は、世間一般の男性並みに腕時計に興味を持ち、G-SHOCKを中心に2〜3本の時計を所有していました。
そんな時にふと、小学生の頃を思い出し、実家で使われず眠っていた45GS(父親は機械式時計に興味がない。高校の入学祝いに祖父から貰ったらしい。)を探し出して型番をネット検索してみたんです。
「……え、この時計、こんなに高いの?」
今でこそ、腕時計は価格=魅力とは限らない、と感じていますが、45GSを単なる古ぼけた昔の道具と思っていた私に衝撃が走りました。
そこで、「何故この時計にこんなに高値がつくのか」という発想から機械式時計について調べ始め、ネット上の様々な記事や動画を漁っては、腕時計の様々な魅力に触れ、無事に(?)、ドップリと腕時計沼にハマっていくのでした…。
スペック&レビュー
さて、肝心の時計紹介。
セイコー(SEIKO) 45GS
型式:4520-7000
製造年月:1969年3月製造
ムーブメント:Cal.4520A、手巻き、36,000回転/時(10振動)、25石、ハック機能有
ケースサイズ:縦幅40.8mm(ラグ含む)、横幅37.0mm(リューズ含まず)、厚さ9.3mm、ラグ幅18mm
ベルト:セイコー製ステンレス巻きブレス
何と言っても眼を引くのはこの変わったケース形状。「亀甲ケース」と呼ばれる、当時としては比較的大振りな八角形の変形ケースです。好みは分かれそうですが、面が多く、光の反射を楽しめるので私は気に入っています。
個性的な風貌に対して心臓部は超本格派。Cal.4520は後のグランドセイコーVFAや天文台クロノメーターのベースともなった高精度の上位機種で、「歴代セイコー機械式腕時計の最高傑作」とも絶賛されています。第二(亀戸)精工舎の手巻き最高峰ですね。
国産最高峰のムーブメントを積むグランドセイコーに早い段階で触れられたのは、時計好きとしては非常に幸運でした。
文字盤はシルバーにシルク調の格子模様が施された絹目ダイヤル。光の加減で表情が変わるのが何とも繊細で美しいです。ほんのり焼けているのもヴィンテージ感があります。
インデックス、針についてはシンプルなデザインで場面を選びませんが、やはりスーツスタイル、ビジネス等に最適でしょうか。冠婚葬祭にもバッチリです。
ベルトは革も相性が良いと思いますが、今は付けやすさ重視でステンレスブレスを装着しています。純正ではありませんが、セイコー製の巻きブレスを見繕いました。程良い軽さと薄めのフォルムが、この時計にはマッチしていると感じます。
流石にやや使用感はありますが、OH時にライトポリッシュしてもらっているため、そこそこ綺麗かつ小慣れ感が出ていて好みの状態です(ヴィンテージ時計については、あまりにも綺麗過ぎない方が味があり良いと感じることが多いです。)。
裏蓋のメダリオンも状態良好で、親子3代受け継いでいきたい1本です。
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